まるごとみんご

エンタメ大好きみんごが繰り広げる何気ない日常生活

君子無朋

君子無朋(くんしにともなし)」を観た。

 

 

 

副題に『中国史上最も孤独な「暴君」雍正帝』とある通り、中国のとある皇帝の話だ。中国の皇帝というと、始皇帝、中国歴代最高の名君とされる康熙帝ラストエンペラー愛新覚羅溥儀などの名は聞いたことがあるが、雍正帝はこのお芝居を見るまで知らなかった。雍正帝康熙帝の第4皇子で、康熙帝の次に即位した皇帝だ。

 

副題には「暴君」とあるけれど、その生き様と手腕が舞台上で明らかになるにつれ、鳥肌が立つほどに胸が熱くなる。このご時世でより一層雍正帝への畏敬の念が高まる。

 

佐々木蔵之介さんが演じる雍正帝の圧倒的な存在感、鋭い眼光、無駄な要素がない仕草、豪快なユーモア。大国のリーダーとしての気概が余すところなく体現されていて、目が離せない。

明るさを抑えた重厚な照明に、おなかに響く銅鑼の音。とても力強く、激渋な舞台だった。

休憩がなくて、2時間弱で完結する構成も素晴らしい!!

 

ワタクシが佐々木蔵之介さん主演の舞台を見るのは、2013年の「非常の人 なんぞ非常に」に次いで2回目。「非常の人 なんぞ非常に」では江戸時代の天才平賀源内を演じていたが、その際も圧倒的な存在感と人を惹きつける壮大な吸引力があった。ドラマなどで拝見する佐々木蔵之介さんもとても素敵だけど、舞台上ではより一層魅力的。また見たい!!と強く思わせてくれる役者さんだ。

 

☆☆☆☆☆

 

 

 

 

池田晃将の螺鈿

人生初の個展を経験した。もちろん、見る側だ。初めてのギャラリー往訪。

 

 

伺った先は銀座一穂堂で開催されていた「池田晃将の螺鈿」。螺鈿は貝殻の内側、虹色の光沢を持った真珠層の部分を用いた伝統工芸。ワタクシは、何とも言えない神秘的な色合いに惹かれている。今回、この個展を知ったのは大好きな漫画家おかざき真里さんのツイートがきっかけだったが、作品を観れて本当に良かった!!

 

 

螺鈿の繊細で成功で神秘的な魅力に加え、ものものしいサイバー感!ほどんどの作品が、手のひらにすっぽりと収まるサイズ感なのに、その箱の中に吸い込まれてしまいそうなほどの圧倒的な吸引力。すごいパワーを放ちながら鎮座しておりました。100年に及ぶ長い間、大事に愛情をもって使われてきた道具には、魂や精霊が宿って付喪神(つくもがみ)になるといわれるけど、超絶技巧とサイバー感が融合すると、一気に強力なエネルギーが宿るようだ。対峙した物の視線と心を捉えて離さない、まがまがしさにも似た神々しさ。おかざきさんがおっしゃっていた「工芸品は実物を見なければはじまらない」、まさに真理。写真じゃ感じ取れないものが、この世には間違いなく存在する。気になった物には、時間と状況が許す限り絶対直接向き合うほうがいい。

 

ちなみに、展示品はすべて購入可能。大人気につき抽選だし、とても高額なのですけど。。。。このすさまじいエネルギーを体感すると、もっともっと高額なものに感じます。ほんと、すごくかっこよかった!!

 

星星星星星

 

 

 

 

 

日本の歴史

日本の歴史」を観た。

三谷幸喜さんによる作・演出のオリジナルミュージカルだ。

 

 

 

2018年12月から2019年初頭にかけて初演が行われたのだが、その時はチケットが取れなくて断念。今回の再演でようやく見ることことができた。たった7人のキャストが入れ替わり立ち代わり、卑弥呼の時代から太平洋戦争まで日本の歴史上の様々な人物を演じる縦の軸。一方、同じ7人のキャストが、19世紀のアメリカテキサスに住む牧場経営者家族とその小作農や関係者を演じる横の軸。時代も国も時の流れも異なる縦の軸と横の軸が絶妙にリンクしながらミュージカルは展開していく。共通しているテーマは「因果」。

 

文章にすると小難しいけど、このミュージカルのテンポはとても小気味よいし、音楽もキャッチーで印象的。はじめて聴く音楽ばかりなのに、思わず一緒に口ずさんでしまいそうなほどの親しみやすさ。ワタクシが一番好きなのは、明智光秀のテーマソング「アケチッチ」(ワタクシが勝手につけたタイトルで、正式タイトルは不明)。明智の格好も斬新でとても面白かった。

 

女性が男性を演じたり、男性が女性を演じたり、超絶緩い時代考証だけど、締めるところはビシッと決まっていて、メリハリとユーモアが効いたとても面白いミュージカルだった。7人のキャストさんは非常にチャーミングで、ワタクシの中の好感度がまんべんなく上昇した。

 

☆☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

LINDBERG Extra Flight Vol.1

リンドバーグのライブ@ビルボードライブ東京に行ってきた。

 

 

ワタクシの記憶が正しければ、中学生になりたてだったワタクシが一番最初に買った(買ってもらった)CDは、B'zの「LADY NAVIGATION」か、リンドバーグの「BELIEVE IN LOVE」。直径12㎝のCDじゃなくて、今はなき直径8㎝のシングルCD。ケースも縦長の長方形。なつかしい。

 

そんな懐かしさも相まって、ビルボードライブのスケジュールページの中に、リンドバーグを見つけた瞬間、予約開始日をスマホに登録し、予約開始とともに申し込みをした。知っている歌は、「BELIEVE IN LOVE」と「今すぐKiss Me」の2曲だけだというのに。ノスタルジーと在宅生活下の刺激不足に突き動かされた。

 

そして、当日のMCで愕然とした。今回のセットリストのテーマは「ライブでやったことのない曲」「メジャーじゃない曲」「マイナーな曲」だという。2曲しか知っている曲がないワタクシには、初めて聞く曲ばかりだった・・・・。しかも、ワタクシが知っている2曲はアップテンポで元気な曲だが、今回のセットリストはかわいい感じの曲が多くて、違うバンドのライブにきた感覚だ・・・。「マイナーな曲ばかりじゃアレなんで・・・」ということで、アンコールで「今すぐKiss Me」をやってくれたのが唯一の救いだった。

 

お客さんも往年のファンだぜ!って感じの方が多くて、MCもコアな話が多い。ワタクシの様な完全な新参者はすっかり蚊帳の外。というか、ついていけない。あぁ、これはファンクラブイベントのようなものだったのだな・・・・

 

一度解散して、再結成したバンドのライブには注意が必要だ・・・。特に、バンドのメンバーが50歳を超えている場合は要注意。彼らのターゲットは当時のファンであり、新規のファンを獲得しようとはあまり考えていないことが多いように思う。バンドメンバーとファンが、全盛期だった頃に一緒にタイムリープすることが、ライブの目的になっている気がする。よっぽど波長が合わない限り、新参者には疎外感が強いライブという印象が残る。逆に、往年のファンは終始泣きっぱなしの感動ライブだ。ある種の「同世代ホイホイ」というか「中年ホイホイ」というか。。。同じ時代を生きた戦友との同窓会。もちろん、そういうマーケティングや戦略を否定するわけじゃないし、全然アリだと思うけど、新参者の場合はそれなりの覚悟が必要かもね、という思いだ。

 

 

indigo la End Billboard Live「メタ」

indigo la Endのライブに行ってきた。

indigo la End川谷絵音くんを中心に活動しているバンドだ。川谷絵音くんのもう一つのバンド、ゲスの極み乙女。の楽曲はいくつか聞いたことがあるけれど、indigo la Endの楽曲は全く知らない。

単純な興味だけで、チケットを取った。

 

結果、知らない曲ばかりが演奏された(当たり前か・・・)。日本語の歌詞なのにほとんど何を歌っているのかわからない。活舌が悪いとか、そういう話ではなくて、乗れないのだ。

いいとか悪いとかじゃなくて、「私には合わない」ただそれだけ。

 

そんな風に感じると、不思議なことに他の観客も冷めた感じに見える。コロナの感染対策で、歓声やスタンディングでの観賞は禁止されているものの、身体を揺らしたり拍手はOK!なのだが、会場中の観客が微動だにせずに地蔵のごとくひたすら聞き入っている、そんな不思議な雰囲気だ。

 

ライブはなまもの。本当に千差万別だな~と再認識。これもまた貴重な体験だ。

レ・ミゼラブル

レ・ミゼラブル」を観た。

 

 

 

言わずと知れたミュージカルの代表作。ミュージカル「レ・ミゼラブル」は2013年のGWに観て以来、実に8年ぶり、2回目の観劇だ。今回の観劇で一番強く感じたのが「生きろ!!」というメッセージ。人は無意識に、自分が見たいものを見て、自分に都合のいいように解釈するものらしいが、コロナ禍の環境下、ワタクシが一番強く感じたのは「生きろ」だった。

 

だから、自ら命を絶ったジャベール警部は、強いけど実は一番繊細だったんだな~と思ったし、少年ガブローシュがあっけなく銃弾に倒れてしまうシーンが一番胸に突き刺さる。ガブローシュ独唱の歌声があどけなくとても元気だからこそ、その歌声が止まる瞬間はこちらの息も止まってしまう。一方、どんな環境下でも姑息にずる賢く、しぶとく生き延びているテナルディエ夫妻は、エネルギッシュですごい生命力だな~と元気づけられたりもする。初めて見た時には、圧倒的な歌唱にただただ圧倒されるばかりだったけど、2回目ともなると主要な登場人物に注目する余裕があった。とは言え、ヴィクトル・ユーゴーの原作「レ・ミゼラブル」に手を出す勇気はない。

 

話は逸れるが、少年ガブローシュはみなしごだと思っていたのだが、実はテナルディエ夫妻の長男だそうだ。両親から愛されず放置され、パリの路上でたくましく生活する典型的な浮浪児となった模様(ウィキペディアに書いてあった)。ミュージカルだけではわからなかった血縁関係ここにあり。それから、1回目観た時も、2回目の今回もテナルディエ夫人役は森公美子さん♡ ワタクシは森公美子さんのは服からあふれ出そうなおっぱいの肝っ玉テナルディエ夫人が大好きだ。

 

さらに今回、観劇後に改めてこのミュージカルの時代背景を調べてみて、初めて気づいたことがある。これまで、ワタクシはフランス革命が始まる1789年前後の時代だと思っていたのだが、間違いだった。正確には、フランス革命後の1815年から1833年までの18年間が描かれているとのこと。フランス革命は終わっているとはいえ、ルイ18世シャルル10世復古王政時代、七月革命七月王政と激動の時代だ。

 

ちょうど今、NHKの「青天を衝け!」では、幕末の激動期がドラマ化されている。日本の大政奉還は1867年のことだから、「レ・ミゼラブル」その数十年前の出来事なのだな~と思うと、国は違えどその当時の歴史的出来事の共通点とかが垣間見えて、感慨深い。

(高校の世界史で、そんなことを習ったりしたな・・・・などと遠い昔の感想がよみがえったりもする。そして、感想は思い出すけど、肝心の歴史は綺麗さっぱり忘れたままだ・・・。)

 

あと、このミュージカルのポスターの素晴らしいと思うよね。この絵は、原作の挿絵。コゼットの幼少時代だそう。(ワタクシは今まで、少年ガブローシュだと思っていたけれど・・・)もともとのイラストも素晴らしいけど、これをポスターに起用した人のセンス、そして再演される度に微妙に変わるアートワーク。そのセンスもとても素晴らしいと思う。歴代の「レ・ミゼラブル」ポスターの展覧会、めっちゃ行きたいと思う次第。

 

☆☆☆☆

 

 

 

KREVA in Billboard Live Tour 2021

KREVA in Billboard Live Tour 2021」に行ってきた。

 

 

コロナ禍で参加したLiveの中でも、屈指の素晴らしさだった。

歌詞を重視して選択したというセットリストは本当に胸に響くものばかりで、冒頭から涙があふれた。正直、KREVAは好きだけど大ファンまでには至らず、というワタクシ的には知らない曲もあったけど、それでも歌詞がよく聞こえて、とてもいい曲だな~って感じるものばかり。ステージ上のアーティストの思いが、音に乗ってひしひしと伝わってきて、体の芯までじんわりと響いてそこから元気が湧いてくる感じ。

 

とは言え、過剰に煽る場面は一切ない。どこか冷めた感じも一切ない。高揚しつつも行き過ぎ感のない絶妙な盛り上がり。客席から歓声が飛ぶことはないのに、みんなとっても楽しそうなのがよくわかる。とっても素敵な雰囲気だった。

 

ライブの構成も、最高潮に盛り上がってエンディングという通常時の流れとは一線を画していた。最高潮にぶち上ったところからの、心地よいクールダウン。いい感じのリラックスタイムを、アーティストや他の観客と共有する一体感。まさに「整った」感覚だ。(ワタクシはサウナに行ったことがないので、実際に整った感覚を体験したことはないけれど、絶対こんな感覚だと思う。)

 

さらに各座席には、ライブ終了後から当日限りで限定公開されるポッドキャストQRコードが印刷されたマスクケースが置かれていた。一人でニヤニヤしながら、ライブを振り返って余韻に浸ってくださいね、という粋な計らい。ライブ終了後に盛り上がった気分のまま飲食店に繰り出して、羽目を外しすぎることのないようにとの配慮だ。

 

ただただ制限を押し付けるわけではなく、楽しみながら自粛ができるように工夫された演出。KREVAのカッコよさに痺れた夜。

ルールの範囲内で、最大限に楽しめる大人。めちゃくちゃかっこいいね!

 

星星星星星