まるごとみんご

エンタメ大好きみんごが繰り広げる何気ない日常生活

首切り王子と愚かな女

首切り王子と愚かな女」を観た。

 

 

 

 

 

ポスターには「時代も場所も架空の王国を舞台にした大人の寓話」とあるし、ポスターやスポット動画もファンタジー色強めのデザインだけれども、涙なしには見られない深い内容だった。

 

テトリスみたいに縦横自由に動く掘りごたつの骨組みのような大道具。舞台を囲むように整然と並べられた小ブース。ユニークな構成が新鮮だった。舞台の左右、それから奥に、1メートル四方、高さが2メートルくらいの透明なブースが各4つ、合計12個並んでいて、各ブースには机といすが設置されている。机の上にはペットボトルのお水と台本らしきものが置かれていて、そのブースは演者の待機所のようになっている。自分の出番以外は、おおむね各自固有のブース内で固唾をのんで、舞台中央で展開される物語を見守っている。そのブースは、舞台袖のように客席から見えない位置に設置されているのではない。舞台を構成する要素として、どの客席からもしっかりと見える位置に置かれている。

開演5分くらい前から演者がそこに待機しているし、休憩時間残り5分くらいになると、後半戦に備えて役者が再び待機する。

 

役者は全編を通して、ほぼほぼ観客の視線にさらされていた。演者がまとう衣装は、黒か白。色のない世界では、人の感情がより鮮明に伝播するのか、没入してしまう。登場人物のすべてに共感してしまう。

シンプルで無機質な大道具と登場人物の鮮明な感情。そのコントラストが素晴らしいと思った。

 

☆☆☆☆☆