まるごとみんご

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家族のはなし

家族のはなし」を観た。

 

 

草彅剛さんが出演している舞台だ。

第1話と第2話の2部構成。とは言え、1話と2話は独立していて関連性はほんのちょぴっとしかない。

 

第1話は「わからない言葉」。とある夫婦とペットの犬。そこに訪ねてくる海外在住の友人夫婦。物語は、人間言語バージョンと犬聴覚バージョンで交互に展開していく。人間言語の場合は、人間側は普通に日本語を話す(海外の友人夫婦はその国の言語。普通の日本人にはよくわからない)。犬はほぼ無口。一方、犬聴覚バージョンは、犬には人間の話し言葉がこう聞こえてますという観点で展開されるので、人間が話す言葉は奇妙奇天烈。アクセントやニュアンスでなんとなく意味を想像できる箇所もあるけれど、ほとんど意味が分からない。でも、「ごはん」、「さんぽ」、「ハッピー(犬の名前)」など犬にも身近な言葉は、日本語と同様に発音される。人間言語バージョンと違うのは、犬も饒舌だということ。犬がその感情を日本語で口にする。犬の気持ちが言葉になっている。

 

でも、同じシーンの人間言語バージョンと犬聴覚バージョンが繰り返されるわけではない。ひとつのストーリーが淡々と流れていく中で、人間言語バージョンと犬聴覚バージョンが交互に展開されるのだ。

これね、なかなかに観る側の忍耐力が試されるですよ。なにせ、話の半分は犬聴覚バージョンで展開されるわけだから、その間の人間が話す言語はほとんど意味不明。雰囲気やジェスチャーのおかげで全くわからないわけではないが、謎の言語をずっと聞いているのって結構しんどい・・・自分がコミュニケーションの当事者ではない場合は、なおさらだ。意識が遠のく。

 

人間が話す謎の言葉を受けて、犬が犬らしく考えリアクションしたり、日本語で感情を口にするから、犬聴覚バージョンも半分以上は日本語なわけだけど、基本的には犬目線なので、結構テンション高め。謎の言語で意識が遠のいている中での、犬のハイテンション。かなり集中していないと、あっという間に置いて行かれる。ワタクシは、置いてけぼりを食らったタイプだ。

 

で、その犬を演じたのが、草彅剛さんだ。「ミッドナイトスワン」で演じたトランスジェンダー役、大河ドラマ「青天を衝け」の徳川慶喜役、そして、今回の犬(ハッピー)役。実に幅広い。どの役も違和感なく演じているので、その点は魔法をみているような感覚だ。

 

第2話は「笑って忘れて」。

郊外の高台にある(と思われる)素敵な一軒家に住む夫婦(草彅剛さんと小西真奈美さん)の物語だ。第1話とは全く毛色の異なるお話だ。話す言語も日本語なので、それだけで安心感がある。この夫婦の雰囲気がとても素敵で、悲しい話ではないのに優しい話に、さらさらとした涙が流れる。とてもあたたかい話だ。

 

とある一日の出来事が時間の経過とともに展開していくのだけど、朝から夕方にかけて徐々に変化していく綺麗な空の色も、とても素敵だった。

 

この舞台のタイトルは「家族のはなし」だけど、正確には「PART1 2021」っていう数字がつく。PART2、3と続いてくのだろうか?

楽しみだな。

 

☆☆☆☆