まるごとみんご

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罪の声

罪の声」を観た。

 

 

1984年、1985年に実際に起きたグリコ・森永事件をモチーフとして書かれた小説「罪の声」(塩田武士著、講談社)が原作の映画だ。

その予備知識もなく、グリコ・森永事件についてもよく知らずに観に行ったが、とても引き込まれた。

 

事件から30年以上が過ぎ、時効が成立した過去の事件の真相を究明するストーリー。だから、新たに殺人が起きる、人が失踪するというハラハラドキドキの展開が繰り広げられるわけではない。でも冒頭、星野源さん演じる曽根俊也が、偶然、父の遺品の中からカセットテープと黒革の手帳を見つけるところから、観る側の感情はいやおうなしにザワついて、一気にこの映画に引き込まれていく。このあたりの音楽がとても効果的で、映画に引き込まれつつも、BGMの選曲と映像とのマッチアップの素晴らしさにも感服していた。音の魔力を堪能する意味でも、映画館での鑑賞がおすすめ。

 

142分。普段は「映画の最適尺は120分未満」を公言しているワタクシだが、この映画は最後まで集中力を切らさずに楽しめた。舞台は日本国内のみならず、ロンドンへも出向くが、わざとらしくなくて好印象。30年前の事件の真相に迫るということで、小栗旬さんが演じる新聞記者、阿久津英士が取材する相手は、ほぼ中高年。その取材される面々の演技が素晴らしく渋い。

 

事件の点と線がつながっていく面白さだけでなく、いま生きている人々の心境の変化やつながりにも心が動かされる。

単に、上映開始時間が自分の都合にぴったりだという理由だけで観に行った映画だけど、観に行ってよかった。偶然という縁に感謝。

 

☆☆☆☆