ホテルローヤル
「ホテルローヤル」を観た。
北海道の釧路湿原にポツンと佇むラブホテル「ホテルローヤル」を舞台にした物語。
ホテルローヤルで働く従業員、そこを利用するお客様。従業員にとっては日常で、お客様にとっては日常というよりは、ちょっとした別世界。
人生がまるごと全部うまくいっている人なんていなくて、大なり小なり人はいろいろと抱えて生きている。やりきれなさ、自分の力ではどうにもならない事情、そんなものと人知れず戦いながらも、ふと誰かの体温とか発言に支えられたりする。そんな話だった。
決して明るくはないけど、暗くもない。誰かの言動を責めるのではなく、起こった出来事に抗うでもなく、流されながらも生活は続く。何かを諭すでもなく、強制するでもなく、飄々と時間が流れてくのが、押しつけがましくなくていいなと思う。
多分、その心地よさには、主人公である「ホテルローヤル」経営者の一人娘・田中雅代(波瑠)の部屋から見える釧路湿原の雄大さが一役買っていると思う。雅代の部屋は本当に素晴らしい。
あと、みかんの使われ方が好き。
そして、登場人物はスマホを持っているから、時代背景はおそらく現代なんだろうけど、昭和感満載なところもノスタルジックでいい(回顧シーンとかは実際昭和だし)。不思議なのは、主人公・田中雅代の下着。パンツ(ズボン)ルックなのに、なんで、膝まであるような長い丈のキャミソール(スリップ?古い言葉でいうなら、シミーズを着ているの???やっぱり清純派女優の波留さんが、パンツ(今度は下着の方)姿をさらすわけにはいかなかったのだろうか?それにしても、変な衣装だ。
冒頭に登場するカメラマン的な男性。新井浩文さんをキャスティングしたら、ぴったりはまりそうだな~と感じたりもした。
☆☆☆