まるごとみんご

エンタメ大好きみんごが繰り広げる何気ない日常生活

浅田家!

浅田家!」を観た。

 

 

主人公は浅田政志(二宮和也)。本人の努力というよりは、家族や幼馴染を盛大に巻き込みながら、人との出会いによって成長していく写真家の話だ。主人公はどちらかと言えば、いや、明らかにちゃらぽらんで、学生時代は出席日数が足りなくて卒業の危機に立たされたり、その後も腕にど派手なタトゥー(というよりは「入れ墨」と表現したほうがしっくりくるようなデザインだ)を入れたり、絵にかいたような風来坊。

 

際立つのは家族の大らかさ。と言っても、ことさらにそれが強調されているわけではないのだけど、「生きてるだけで丸儲け」を体現しているような家族で、息が詰まるような生きづらさはどこにもない。何かっていうと「お兄ちゃんなんだから」と優しさや面倒見の良さを強要される政志の兄(妻夫木聡)でさえ、根っから優しくて家族思い。ちなみにワタクシも兄弟の中で一番上で、同じように「お姉ちゃんなんだから」と言われていたが、それを言われるたびにブチ切れていた。

 

政志の幼馴染の若菜ちゃん(黒木華)の優しさも素敵だ。辛辣な言葉を使いながらも、ちゃんと相手の背中を押すし、腹をくくらせる。でも、決して追い詰めることはしない。ドラマ「半沢直樹」の最終回で、半沢の妻、花ちゃんのセリフにも盛大に感動したけど、それに共通する強くて優しい人間性

 

そんな家族の底抜けの大らかさと優しさ、幼馴染の支え、それから政志が出会う人たちの行動や思いに、涙腺が崩壊した。平日夜(レディースデーではない)ということもあり、お客さんがまばらな映画館。人目を気にせず大いに泣いた。おかげでコンタクトレンズが流れ落ちた。

 

こんなにも温かい人達に囲まれた政志はなんてラッキーなんだと思ったけど、別に政志が特別なわけじゃない。人は誰でも、政志と同じように様々な人に支えられて生きている。「鏡の法則」っていう言葉があるけれど、自分が関わる人にどう接するかで人生は大きく変わるように思う。政志やその家族、幼馴染、政志が出会う人たちには、優しさとそれに対する感謝がある。

 

浅田家のなりきり家族写真はとてもユニークで、ほほえましい。ワタクシのお気に入りは「極道」。本編最後のヤツもユーモア満載でとてもいい。

 

それから、ジブリ映画同様、浅田家の食卓に登場するごはんはどれもとっても美味しそう。たこやき、カレー、焼きそば。シンプルな料理なのに、なぜかとっても美味しそう。ごはんの美味しさって、何を食べるかじゃなくて、誰と食べるかに左右される部分が大きいと思うけど、その理論は見る側にも当てはまるのかな。

 

とにかく、いろんな愛にあふれた素敵な映画だ。ぜひ映画館で。

☆☆☆☆☆