夏の終わりに京都旅~美術館巡り~
京都に神社仏閣を巡らずに、美術館を巡る。これもまた一つの初体験。
まずは、京都文化博物館で「百花繚乱 ニッポン×ビジュツ展」。実はこの企画展、京都に着いてから開催を知った。会期ギリギリ。絶好のタイミングだった。
「カワイイ」「サムライ」「デザイン」「黄金」「四季」「富士山」など日本美術を特色づけるキーワードを通し、ニッポンのビジュツを俯瞰的に横断する展示内容。風神雷神、若冲、歌川国芳、江戸中期頃の絢爛豪華な女乗物(籠)。バラエティに富んだ展示内容で面白かった。
もう一つは、京都国立近代美術館で開催中の「ドレス・コード?-着る人たちのゲーム」。
ドレスコードがテーマの企画展。
TPOや気分、誰に合うかで決めるだけでなく、自分とは別の誰かになりきるためのファッション。
「着る」だけでなく「視る/視られる」ファッション。
ワタクシの嗜好を十分に刺激するテーマで、本当に面白く、ここに訪れる前にさんざん歩き回って疲れてるのに、時間を忘れて館内を歩き回ってしまった。
クラシカルなシャネル・スーツのラインナップから、グッチ、ヴィトン、コムデギャルソンが手掛ける最新のスタイルまでずらりと並ぶ様子は、ファッショニスタじゃなくても十分に興奮すると思う。写真みたいに川久保玲とアルチンボルドやマリーアントワネットのコラボもあり、実に奇抜だし。
ワタクシのお気に入りは、写真家ハンス・エイケルブームのコーナー。同じ服装をした人(例えば、ローリング・ストーンズのTシャツを着た人、ベージュのトレンチコートを着た人、ネイビーカーディガンにチェックのミニスカートにルーズソックスの日本の女子高生)の街角スナップが何枚も並ぶコーナーは、親近感が湧くやらどこか滑稽やらで、本当に面白かった。
あとは、詩が展示されてるコーナーもあって、そのひとつひとつにいちいち共感。中でも共感度が高かったものを撮影してみた。ファッションが好きな方はぜひ、拡大して読んでみて。首がもげるんじゃないかってくらい、大いにうなずけるはず。
展示毎に設定されたテーマも挑発的で素敵。「裸で外を歩いてはいけない?」「働かざる者、着るべからず?」「ファッションは終わりのないゲームである?」とかね。言葉を聞いただけで、ちょっとワクワクする。
旅先での美術館巡りはタイミングがすべて。偶然が織りなす最高の一期一会だ。