ピカソとアインシュタイン~星降る夜の奇跡~(ネタバレあり)
「ピカソとアインシュタイン~星降る夜の奇跡~」を観た。
場所は、よみうり大手町ホール。この会場の座席は比較的ゆったりしているので、好き。
物語の舞台は1904年。パリ・モンマルトルのバー「ラパン・アジール」(現存するそう)。
そこで、ピカソとアインシュタイン、未来からやって来たエルビス・プレスリーが出会う。
世紀の変わり目は価値観の変わり目。
新しい価値観が、今まさに形になろうとしている時のエネルギーが見える舞台だった。
例えるなら、桜が開花する直前。ふっくらと膨らんだつぼみのような舞台。希望が充満した清々しい舞台だ。
平成から令和への改元が目前に迫るタイミングで、この舞台を観る。時代の変わり目という特別な雰囲気を、舞台と現実とで共有しながらの鑑賞はそうそうできるものではないと思う。実はこの日、演出のランダル・アーニーさんが客席で鑑賞されていて、カーテンコールの際に登壇し、挨拶をされた。「新しい時代を皆さんと一緒に迎えることができて光栄だ」。その言葉を聞いた時、同じ瞬間を共有し、同じ思いを共有していることがとても尊いことに思えて、泣きそうになった。
この舞台のキャスティングは2パターンあって、アインシュタイン、ピカソ、プレスリー、シュメンディマン、この4人の配役が変わる。
ワタクシが観たのは、ローズバージョン。アインシュタインを川平さん、ピカソを岡本さん、プレスリーを三浦さん、シュメンディマンを村井さんが演じるベテランパターン(アインシュタインとピカソを演じるのがベテランさんだから)。
ちなみにブルーは、アインシュタインを村井さん、ピカソを三浦さん、プレスリーを岡本さん、シュメンディマンを川平さんが演じるヤングパターン。
両バージョンともこの4役以外の配役は変わらず、セリフや動線もまったく同じらしい。とはいえ、雰囲気はがらりと変わるだろうから、ブルーバーションもぜひ見たい。
川平さんの演技は、いつ見ても「らしさ」全開で、セリフを話してない時の表情や仕草にも思わず笑ってしまう。岡本健一さんは、観客の目を一斉にくぎ付けにする、すごいオーラの持ち主だと思う。依然、「非常の人、なんぞ非常に」という舞台で杉田玄白を演じるのを拝見したが、その時の演技も素晴らしくて、ワタクシの中では5本の指に入る大好きな演目だ。男闘呼組で活躍していて、今もジャニーズ事務所所属とのことだが、ジャニーズの幅広さと力量は底知れない。三浦さんは、正真正銘、文字通りキラキラしていた。テレビでは志村けんのものまねを上手にやってのけるが、大げさな演技がとても素晴らしいと思う。シュメンディマン役の村井さんは、何せシュメンディマンの役どころが奇抜すぎて、よくわからず。というか、3人の天才に混じって出てくるシュメンディマン。一体何者なんだろうか??? ググってみても答えは得られず・・・。謎多き登場人物だ。
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