まるごとみんご

エンタメ大好きみんごが繰り広げる何気ない日常生活

クラッシャー女中

下北沢の本多劇場で「クラッシャー女中」観劇。

 

 

上に張り付けたユーチューブはクールな仕上がりだけれども、実際の内容はもうちょっとダサくて、病んでいる。。。

お金持ちの家族とその友人、その家で働く女中たちがお屋敷で繰り広げる物語。

コンプレックスと復讐心、そしてエゴイズム。その大小と適応力、そして鈍感力が交錯する様子が面白い。ひゃーって感じ。

 

麻生久美子さんと中村倫也さんのダブル主演。麻生久美子さんは、テレビに出ているときもそうだけど、声が素敵だと思う。話し方も好き。表情も好き。派手ではないが凛とした気品。ダイレクトに堪能できた。彼女のような女性に私はなりたい。

 

中村倫也さんは、最近のドラマではクールな役が多かった(「初めて恋をした日に読む話」の先生役はかなり好き)けど、舞台では小学生を演じたり、歌を歌ったり、今までにない一面を目の当たりにして、眼福。まあ、CMでマッシュルームヘアのカツラをかぶって女装して主婦を演じていたりもするし、その振れ幅が彼の魅力なのかな。気になる役者さんであることは確かなんだけど、なんで好きなのかがよくわからない。背が高いわけでもなく、一流のイケメンともちょっと違う。しばらくは、そのミステリアスさにはまりそうな予感。それから、後で気づいたんだが、彼は福田雄一氏演出の舞台「フル・モンティ」にも出演していた。そして、ワタクシはそれを観ていた。知らない方もいるかもしれないが、炭鉱で働いていた男たちが、男性版ストリッパーになる話だ。もとはたしかイギリスの映画だったと思う。男性ストリッパーなので、どんどん服を脱いでいき、行きつく果ては・・・。もちろん、舞台上の役者さん達も脱いでいた。主役の山田孝之さんの雄姿はいまでも脳裏に焼き付いている。それと同じ格好で、中村倫也さんも舞台上に並んでいたはずなのだ。ちゃんと認識できていなかったことが、今更ながら悔やまれる。

 

そして、もう一人印象的だったのが、趣里さん。ブラックペアンの看護師「猫田」が印象的だけれど、生で見る彼女は小さくて細くて、まるで人形のよう。バレエを彷彿とさせる身のこなしが、あまりにも印象的だったので、帰宅後に趣里でググってみれば、やっぱりバレエ経験者。しかもかなりの本格派。そして、もっと驚いたことに身長は158㎝!!小さいと感じたけれど、全然普通。平均身長。ってか、ワタクシよりも大きい!!小さく見えるのは細さと顔の小ささ故なのなのね。実にうらやましい。さらに、さらに、水谷豊さんと伊藤蘭さんの一人娘という驚愕の事実!!どおりで・・・気(←ドラゴンボール的な)が強いはずだ。

 

ところで、この演目を作り、演出したのは29歳の根本宗子さん。彼女の舞台は前にも観たことがあるけれど、面白くて好き。人間の内側の感情が妙にくっきり浮きだされていて、目が離せないというか、捕まってしまうというか。細かすぎるものまねって、着眼点の面白さとか、見普段そういう場面に結構遭遇しているんだけど、認識していなかったことが、デフォルメされた形で認識できる面白さがあると思う。例えば、柳原可奈子ちゃんとか友近さんとかね。それと同様の面白さがあると思う。引き続きフォローしよう。

 

それと、表現方法もユニークだと思う。終盤戦、麻生久美子さん演じる女性が、他の出演者も同じ場所にいるにも関わらず、彼らを無視して中村倫也さんとだけ会話を続ける場面がある。その場面で、他の出演者が発しているで罵声や怒鳴り声は、声という形ではなく、彼らがけたたましく鳴らす音で表現される。複数の人が一斉に大きなノイズを出しているのに、麻生さんと中村さんが展開するセリフはちゃんと客席に届く。作り手が意図したことは、ワタクシが捉えたこととは違うかもしれないけど、帰宅して、観賞した舞台を反芻するのが楽しい。