日の本一の大悪党
下北沢の本多劇場にて「日の本一の大悪党」を観劇。
ご覧のとおり、主演は安田顕さんと小泉今日子さん。
なんと演出も小泉今日子さん。
そして舞台は、江戸の雑司ヶ谷四谷。安田顕さんが演じるのは浪人伊右衛門。小泉今日子さんが演じるのはその妻、お岩。勘のいい方なら、この時点ですっかりお気づきのことと思うが、このお話は「四谷怪談」がモチーフになっている。
ワタクシ、岩の顔がただれるまで(=物語の中盤)まで、そのことに全くもって気づいていなかったデスよ。我ながら、その鈍さにうんざりしたほど。現代の洋服を身にまとったヴィジュアルのポスターと、四谷怪談を全く連想させる気配のないタイトルに、すっかり騙されてしまったデスよ。
お話自体は、複雑に絡まった恋愛の悲劇…。舞台の女優陣が見せるせつなげな表情が胸をしめつける。誰かが誰かを愛してるだけなのに、螺旋状に惨劇が深度を増していく物語。
幻想的に無数の蛍が飛び交うシーンとか、水面の様子とか。
梅雨の季節によく似合う雰囲気が漂う舞台だと思う。