まるごとみんご

エンタメ大好きみんごが繰り広げる何気ない日常生活

窮鼠はチーズの夢を見る

窮鼠はチーズの夢を見る」を観た。

 

 

これは、同性愛の映画ではないと思う。いや、男性が男性を好きになっているので、同性愛には違いないが、本気で人を好きになるとしんどい。そういう話だ。そこに性差はない。しんどさに差はあるかもしれないけど。本気で人を好きになった時のしんどさを煮詰めたような映画。

 

観ているとイライラしてくる。時間の経過とともに輪郭を失っていった恋愛が、ゾンビのようにうごめきだすせいだ。頭をかき乱したくなる衝動。その衝動は、ワタクシが過去に好きだった人の性格や行動パターン(決して見た目ではない)が、この映画の主人公大伴恭一(大倉忠義)によく似ているからなのか、万人に共有する感覚なのかは定かではないけれど、とにかくイライラした。

 

もう一人の主人公今ヶ瀬渉(成田凌)のように、健気に好意を伝えられることにもイライラする。なぜなら、ワタクシにはできないことだから。そして、諦めきれず割り切れずに自らしんどさを抱えていることにもイライラする。なぜなら、まるで自分をみているようだから。いつもスカした大伴が泣きながら夜道を歩くシーンも、自分をみているようで苦々しい。

 

しんどさがことことことこと煮込まれて、にが~くなった話だけど、最後の部屋の雰囲気は好きだ。明るすぎない程度に陽が射して、綺麗な色のカーテンが風に揺れる。そこでようやく息がつける。

 

☆☆

(古傷がうずいてあまりにもしんどいので、辛口評価)