まるごとみんご

エンタメ大好きみんごが繰り広げる何気ない日常生活

グッドバイ

「グッドバイ」を観た。

グッドバイは、太宰治の未完の小説が原作。

 

 

舞台は戦後の日本。主人公は雑誌編集長「田島周二」。妻子持ちだが、妻子は疎開中につき東京で一人暮らしを謳歌している。謳歌というからには、それなりに楽しくやっているわけで、何人もの女性と不倫関係にあった。だが、そろそろ心を入れ替え、疎開先から妻子を呼び寄せ、家族水入らずで幸せに暮らそうじゃないか。そう決意した田島は、愛人たちとの縁を切るための作戦を決行する。

 

作戦の内容はこう。すごい美人に奥さんを演じてもらい、夫婦として愛人たちを訪ねる。ふたりの仲睦まじい様子を目の当たりにした愛人たちは、自らだまって身を引くだろうという魂胆だ。

 

偽の妻役として見つけてきたのが美人ではあるが、怪力で大食いの「永井キヌ子」。周二とキヌ子、多数の愛人、そして本妻が繰り広げるラブ・コメディ(多分、コメディ)。

 

脚本はケラリーノ・サンドロヴィッチさんで、演出は生瀬勝久さん。今回のグッドバイは、ケラリーノ・サンドロヴィッチさんの名作戯曲を、別の演出家が新たに演出するシリーズ「KERA CROSS」の第2弾。実は、ケラさん演出の「グッドバイ」も以前に観劇していて、キヌ子役の小池栄子さんの演技がとっても面白くて、とってもチャーミングで今でも印象に残っている。

 

ワタクシのお気に入りは、周二とキヌ子が愛人の女医さんに会いに行く場面、周二が占い師に占ってもうらう場面、そして終盤の法要の場面。法要の場面での、キヌ子の言動の一つ一つがかわいくてたまらない。

 

原作が太宰治で、しかも愛人がいっぱい登場するというと、何となく「人間失格」みたいなドロドロしたストーリーを連想するかもしれないが、結構カラッとしていて、おもしろい。もちろん、中には辛辣なセリフもあるけれどw

 

☆☆☆

面白いんだけど、どうしてもケラさん演出のオリジナルと比べてしまう・・・。そして、ワタクシ的にはオリジナルのキャスティングと演出がとても好きなのです。