まるごとみんご

エンタメ大好きみんごが繰り広げる何気ない日常生活

この世界の片隅に

この世界の片隅に」を観た。

 

昭和20年(1944年)、広島・呉市。そこで生きるごくごく普通の女性が主人公のお話。

そう、第二次世界大戦中の呉市で暮らすごくごく普通の女性、すずの物語。陸軍の将校でも、海軍の大佐でもなく、アメリカの軍人でもなく、ごくごく普通の女性とその周りの家族の日常を描いた物語。

 

どんどん食糧が少なくなって、配給が減らせれて行く中で、いかにカサを増すかに奮闘する様子が可愛かったり、レシピを歌いながら料理する様子が微笑ましかったり、昔の着物をリフォームしようとするんだけど、そんなに器用じゃないすずは悪戦苦闘。そんな様子に共感を覚えたり。

 

当時の生活の様子が、その音や雰囲気も含めてしっかりと表現されていて、どっぷりとそっちの世界に持って行かれる感じ。とても繊細な音もあるから、絶対に映画館で観た方がいいと思う。そんな繊細さの対極にある空襲や警報、爆撃の音ももちろんある。人々の苦しみや思いやりやたくましさも。

 

見終えてからしばらくの間は、ぼぉっとして異次元にいる感覚。なかなか正気に戻れない感じ。日常の中に、戦争が入り込んでいる暮らし。善悪とか道徳とかそういうことじゃなくて、ふつうの人々の生活が淡々と描かれている。でも、ぐっと心を握られて、悲しい。でも、日常だから泣く暇さえない。

 

そんな映画。この映画を映画館で観ることができて、本当によかったと思う。

 

 

評価は☆☆☆☆☆